ドライアイ

ドライアイについて

近年のパソコンやスマートフォン、タブレットなど情報端末の普及に伴い、20~30代の若い世代でドライアイの症状を訴える患者さんが増加傾向にあります。ドライアイは、目を覆っている涙が蒸発することや正常に分泌されないことで眼が渇いた状態を言います。涙は、眼を守るのに欠かせません。涙の量の不足や、涙の質のバランスが崩れることで、涙が眼に均等に行き渡らなくなりドライアイ症状が出現します。眼が渇くと、疲れ目や不快感、眼が傷つきやすくなり痛みなどの症状が伴います。ドライアイをそのまま放置してしまうと、気付いたら症状が悪化しており、さらに合併症を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。

ドライアイの症状

ドライアイの場合、以下のような症状があります。

  • 目が渇く
  • 目が痛い
  • 目が痒い
  • 目やにが出る
  • 目が疲れやすい
  • 目が重たい感じがする
  • 白目が充血している
  • 光が眩しく感じる

ドライアイの原因

パソコンやスマートフォンを長時間注視し続ける

パソコンやスマートフォンの普及によって仕事や作業でモニターを長時間注視し続けることが多くなりました。タブレットなどの画面を見て作業をする際は、無意識のうちにまばたきの回数が極端に減ってしまうことから、涙の分泌が減少した上蒸発しやすく、眼が乾燥してしまいます。さらに、長時間の車の運転もまばたき回数が減り、眼が乾燥します。

コンタクトレンズの使用

コンタクトレンズを長時間使用することで、涙が角膜へ行き渡りにくくなるため乾燥してしまいます。

エアコンの効いた部屋など空気の乾燥

暖房などエアコンの効いた部屋は、空気が乾燥しています。加湿器などを利用して、部屋の湿度を保たないと目が乾きやすくなってしまいます。エアコンの風が直接目に当たらないように気を付けましょう。乾燥しやすい冬の季節や風の強い日なども注意が必要です。

過度なストレス

過度なストレスは、自律神経のバランスを崩してしまいます。自律神経が乱れることで、涙の分泌量が減少します。目が乾燥し、ドライアイを招きます。そのほか、過労や睡眠不足もドライアイを引き起こしてしまうので注意しましょう。

身体の病気

シェーグレン症候群に体表される自己免疫疾患では、涙液減少に伴うドライアイが出現することがあります。内科や耳鼻咽喉科など全身科との連携が大切になります。また向精神薬を長期投与している患者様にドライアイ症状が出現することもあり、眼科的治療でサポートすることもあります。

加齢・老化現象

加齢に伴って、涙をつくる涙腺の分泌機能低下が起こります。このように、老化現象として涙の量の減少や、涙液の質が低下してしまいます。

ドライアイの予防

ドライアイ症状は目が渇くことで引き起ります。日常生活から眼が乾燥しないように注意が必要です。ドライアイの予防法は以下の通りです。

画面を長時間注視しない

テレビやパソコン、タブレットなどの画面を長時間注視するのを控えましょう。モニターを見る際は、40㎝以上は離れて見るように注意してください。また、モニターを目線よりも下の位置になるように設置すると良いでしょう。

目を十分に休ませる

パソコンやタブレットで仕事をする際は、30分を目安に目を休ませましょう。目が疲れたなと感じたら、無理をせず、蒸しタオルでまぶたを温めるのも有効で、まぶたには脂を出す腺(マイボーム腺)から脂が出やすくなることが期待されます。このように、工夫しながら目を十分に休ませてあげてください。

まばたきの回数を増やす

まばたきは涙の分泌を促す役割があり、その回数が減ってしまうと、涙の分泌量が減ってしまいます。画面を長時間見たり、長時間運をしたりすると、無意識にまばたきが極端に減少していることが知られています。日常生活のなかでも意識的にまばたきを増やして、涙の分泌量を増やしましょう。

ドライアイの治療

当院では、ドライアイの治療に目薬の処方や涙点プラグ(コラーゲン製やシリコン製)治療を行っています。

点眼

基本的に保湿を目的とした点眼治療を行います。ヒアルロン酸を含む保湿効果の高い点眼薬や人工涙液を用いて目の水分補給を行い、眼の乾燥を防ぎます。そのほか、ムチンの分泌を促して、涙そのものの量を増やす点眼薬、傷ついた目の粘膜を修復する点眼薬を使います。点眼薬は、市販でも売られていて手軽に手に入りますが、市販の目薬には防腐剤が入っているものも多く眼を傷つけやすくしてしまいます。点眼治療には、医師の処方箋で治療を行うよう気を付けてください。

涙点プラグ

目頭の上下にある涙点(涙が鼻へ流れる入り口)に、シリコン製の栓(プラグ)を挿入して塞ぎます。涙点を塞ぐことで、涙の量を調節します。少ない涙を眼の表面にためることで、自分の涙で眼を潤すことが可能になります。点眼薬で治療を行っても症状が改善されない場合に用いられる、ドライアイに有効な治療方法です。

コラーゲン製涙点プラグ(キープティア)

コラーゲンプラグという薬剤を涙点内に挿入する治療方法です。コラーゲンは、体温で固まる特徴があり、シリコン製涙点プラグの治療で起こる脱落や異物感などがないため、初めてのプラグ治療を行うでも安心できる治療方法です。コラーゲンプラグは、徐々に分解されるため、1~3カ月ほどで元の状態に戻りますので治療導入時に検討することがあります。

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